クラシックマウス「道標 現 」(みちしるべ うつつ)
初めましての方は初めまして。
そうでない方はお元気ですか?
私は元気ではありませんが、ブログを書けるぐらいには気力が回復しています。
今回は、私が製作したクラシックマウスの紹介です。
先代の機体「道標」の紹介記事を書いたのは、2018年12月の様です。
嘘だろ…(本記事の執筆は2023年7月)
「道標 現」は「道標」の後継機として2019年7月に爆誕し、2019シーズン時点で完走・全日本大会への出場を果たしていました。空白のパンデミック期間を経ても2023年まで細々と開発を継続し、最短も走るようになったものの、紹介記事の作成を完全に失念していたため、2023年の関西大会後に筆を取りました。
前置きはそんな所です。以下が目次。
機体紹介
とりあえず概要ドン。文章は後。
機体名(フリガナ) | 道標 現(みちしるべ うつつ) |
モータ | FaulHaber1717T003SR |
エンコーダ | IE-1024(モータ付属) |
MCU | STM32F405RGT |
IMU | ICM-20689 |
壁センサ受光素子 | st-1kl3a |
壁センサ発光素子 | 赤色高輝度LED |
モータドライバ | TB6612FNG |
フレーム | DMM アクリルUltraMode |
ホイール | DMM ナイロン |
機械部品はCADなどを参照してもらえれば。
入手が経路を覚えているものは以下の通り。(それ以外は拾ったり、適当に見つけた)
タイヤ:
ハイグリップタイヤ(ソフト30゜) MZW2-30 | 京商 | RC | Radio Control | ラジオコントロール | ラジコン
ギア:ピニオン -> kkpmo m0.5 t8 真鍮
平歯車 -> レインボープロダクツ m0.5 t 42 (レインボープロダクツ閉店してた…)
機体の回路図・機械CAD・GitHubは以下の通り。
2DCAD -> Eagle (次回からはKiCAD)
3DCAD -> Onshape (ブラウザCAD, 継続)
IDE -> STM32CubeIDE (多分継続)
3D CADデータ:
github.com
開発経緯
当時の所属サークルではSTM32に統一しようという方針だったが、私はRXを触っていたので、次作ではSTM32マイコンを使おうと決めていたが、マウス合宿やサークル運営があったので後回しに…。一応動くマウス「道標」がいたのもあって悠長に開発していた。後述するコンセプトはほぼ固まっていた。
突如、PCのクラッシュによって、前作「道標」のソースコードと設計図を全ロストしたのが2019年7月。死ぬ気で設計しないと、2019シーズンで動かせる機体が無い状態で設計開始。入手性が高い部品と、「道標」の余剰パーツで動作確認可能な機体となるように設計。ソフトウェアもHALライブラリを採用して、色々な人に助けてもらいながらトライアンドエラーを続けた。
この時の学んだことや自分の中で咀嚼してまとめたものは本ブログシリーズの「クラシックマウスを作ろう」で述べてきた。抽象的な表現も多いが参考記録として読んでくれると嬉しい。
コンセプト
「初めてのDCマウス製作の指標となる機体」
電子部品の使用パーツ、機械部品の入手性を考慮した足回り方式など、誰かが真似しやすい部品構成を目指した。2019年段階なので今となってはF405は入手困難だったりするし、モタドラならDRVシリーズが台頭、ジャイロは未だにMPU現役だし、予想は当たらないものですね。情報は鮮度が大事(反省)。でも、それぞれの性能は良い塩梅のラインな気がして満足してる。
センサ5個ついているのは当時の流行り。結局使いきれていなかった。
吸引はおまけ。スカート作るときやファン設計のお試しでした。設計段階で警告されてたけど、全然吸えなかった。吸引モータはジャンクだったので出力はお察し。ファンも面積が不足気味。
達成できたこと
探索と大回り・直線加速の最短。
ターン: 0.8 m/s, 直線2.0m/s, 加速度 10m/s/s。
非吸引だけど、DCとしての最低ラインぐらい。
正直ソフト刷新すれば遥かに良くなる。(=ハードウェアの性能を引き出せていない)
要改善ポイント
- 重心位置と旋回中心が離れている(旋回の不安要素1)
- 旋回中心から頭までが長い(旋回の不安要素2)
- 横幅はもっと狭められる
- 壁センサの焦点位置。特に横壁センサは近過ぎるとAD値が下がる。
- 吸引機構は面積広く、モータのパワー欲しい。
- UI触りにくく、見ずらい。
- コードが8年間煮詰めたスパゲッティ。触れない。
最後に
2019 ~ 2023年で動かし続けることになるとは思ってなかった。
初のDC完走や最短、壁制御にパラメータ複数持ちなど個人的に新しいことを沢山経験させてくれた機体。ありがとう。
課題点ばかり上げたが、走りとしては一定の水準まで満たせるようになったので満足しています。後輩達に打倒してもらうのを楽しみに見守ってください。
最後までお付き合いしていただき感謝です。
それでは、また。